映画『ひとつの机、ふたつの制服』

やきもち。嘘つき。わかってた。

ギデンズ・コー大絶賛! 青春コンプレックス・エンタテインメント!!

映画『ひとつの机、ふたつの制服』

90年代台北。夜間部の私が同じ机を共有したのは全日制の可愛くて優秀な彼女だった。

Trailer

予告編

特報

Introduction

誰もが楽しめるのに単純じゃない。
自己評価の低さに悩む青春の成長物語。
この映画が大好き。心が揺さぶられた!!

——ギデンズ・コー
(『あの頃、君を追いかけた』『赤い糸 輪廻のひみつ』監督/脚本/原作)

全⽇制と夜間部。
ひとつの机を共有する私たち。

制服は同じでも胸の刺繍の⾊は違う。
そんな“机友”の彼⼥と同じ男⼦を好きになってしまった、あの⽇。

受験に失敗し、強引な⺟の勧めにより名⾨⼥⼦校「第⼀⼥⼦⾼校」の”夜間部”に進学した⼩愛(シャオアイ)。同じ教室で同じ机を使うことになった全⽇制の成績優秀な⽣徒、敏敏(ミンミン)と、⼩愛は机に⼿紙を⼊れるやりとりから“机友(きゆう)”=デスクメイトになる。夜間と全⽇制。制服は同じでも、胸の刺繍の⾊が違う。ある⽇、⼩愛は敏敏とお互いの制服を交換し、ふたりで遊びに⾏くようになるが、やがて同じ男⼦校⽣を想っていることに気づき……。
昨年の第29回釜⼭国際映画祭でのワールドプレミアで評判を呼び、特別上映された第61回台北⾦⾺映画祭では、⽇本でもリメイクされたヒット作『あの頃、君を追いかけた』(2011)などで知られるギデンズ・コーが⼤絶賛したことで、さらに⼤きな話題となった台湾映画『ひとつの机、ふたつの制服』。⼤⼈には懐かしく、現在進⾏形の若者にはちょっぴり痛い。90 年代の台北を舞台にした⻘春コンプレックス・エンタテインメントの誕⽣です!

台湾新世代俳優が競演!!

主人公・小愛に『無聲 The Silent Forest』で金馬奨新人賞受賞、日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』、今後はNetflix主演作も控える陳姸霏(チェン・イエンフェイ)、敏敏に『愛という名の悪夢』で台北映画祭主演女優賞に輝いた項婕如(シャン・ジエルー)。ふたりが恋する男子学生を『台北アフタースクール』の邱以太(チウ・イータイ)が演じた。

90年代台北の魅力満載!!

どこか懐かしさを感じさせる街並み。ヘアスタイルやファッション、キャラ文房具などのレトロ可愛さ。当時はインディーズバンドだったMayday、台湾でも大人気だった日本のアニメ「SLAM DUNK」やドラマ「ビーチボーイズ」。そして鍵を握るハリウッド女優… 90年代台北のリアルが息づくディティールにも注目!

友情?コンプレックス?

Story

1997年台北。受験に失敗し、強引な母の勧めにより名門女子校「第一女子高校」の”夜間部”に進学した小愛(シャオアイ)。同じ教室で同じ机を使うことになった全日制の成績優秀な生徒、敏敏(ミンミン)と、小愛は机に手紙を入れるやりとりから“机友(きゆう)”=デスクメイトになる。夜間と全日制。制服は同じでも、胸の刺繍の色が違う。ある日、小愛は敏敏から学校をサボるために制服を交換することを提案され、次第に、小愛が敏敏からもらった全日制の制服を来てふたりで遊びに行くようになるなど行動がエスカレート。やがてふたりは同じ男子校生を想っていることに気づき……。

Cast

  • 彭芸愛ポン・ユンアイ小愛シャオアイ

    チェン・イェンフェイ(陳妍霏)

    2000年生まれ。『無聲 The Silent Forest』(2020)で主人公の聾唖学校の生徒を演じ、第57回金馬奨最優秀新人俳優賞を受賞。その他にも、台北電影奨、中国Youth Film Handbookなど新人俳優賞を総なめにして注目を集める。その後も『弱くて強い女たち』(2020)、ドラマ「縁起良き時」(2022)、「WAVE MAKERS 〜選挙の人々〜」(2023)、藤井道人監督による日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』(2024)などに出演。Netflix主演作も控え、今、台湾で最も期待される若手俳優の一人となっている。ちなみに好きなミュージシャンは、米津玄師とBLACKPINK、最近はStray Kidsにもハマっている。

  • 羅家敏ルオ・ジアミン = 敏敏ミンミン

    シャン・ジエルー(項婕如)

    1999年生まれ。2018年のデビュー以降、映画『この心亡き者』(2022)、『疫起/エピデミック』(2023)、『愛という名の悪夢』(2024)、ドラマ「ラブ on LIVE!〜キミに夢中〜」(2019)、「ママ、やめて」(2022)、「台北女子図鑑」(2022)など多くの作品に出演。『愛という名の悪夢』では26回台北映画祭の主演女優賞にノミネートされ、もっとも期待される若手女優のひとりになった。ジュアン・ジンシェン監督作はドラマ「神之郷(原題)」(2021)に続き2作目。

  • 路克ルー・クー

    チウ・イータイ(邱以太)

    1999年生まれ。『運命のマッチアップ』(2019)に出演してデビュー。その後『台北アフタースクール』(2023)に主演して注目を集める。その他『狂ったリビドー』(2024)、『愛という名の悪夢』(2024)などに出演。

  • 彭芸愛の母

    ジー・チン(季芹)

    1976年生まれ。中学時代から子役として活動。映画『オーロラの愛』(2014)、『怪奇温泉旅館』(2018)、ドラマ「君につづく道」(2008)、「マジで君に恋してる」(2012)、「次の被害者」(2020)など出演作多数。司会者として多くのテレビ番組にも出演している。

  • 于澄月ユー・チョンユエ

    ホアン・ジーリン(黄稚玲)

    2000年生まれ。台北芸術大学映画学科で演技を学ぶ。2021年、短編映画『軟弱的梨(原題)』に出演して台北映画祭の新人俳優賞にノミネートされ、新人の登竜門とされる「金穂奨」の俳優賞を受賞するなど、高く評価される。長編映画への出演は本作が初めて。

  • 卓球コーチ

    ジェン・ジーウェイ(鄭志偉)

    1969年生まれ。映画『海角七号 君想う、国境の南』(2008)、『セデック・バレ』(2011)、『僕と幽霊が家族になった件』(2023)など多くの作品に出演。『親愛的殺手(原題)』(2020)で台北映画祭の助演男優賞にノミネートされるなど、名脇役として知られる。

  • チャオ(レンタルビデオ店の青年)

    トゥー・シャンツン(涂善存)

    1995年生まれ。ドラマ「飛魚高校生」(2016)、「HIStory4 隣のきみに恋して~Close to You」(2021)などに多くの作品に出演。台湾では、金城武に似ていると言われ「小金城武」とも呼ばれている。学生時代はバスケ部で活躍し、全国2位まで上り詰めた経歴も。

Staff

  • 監督

    ジュアン・ジンシェン(荘景燊)

    1973年生まれ。台北芸術大学映画学部で学び、修士号を取得。『ジャンプ!ボーイズ』(2005)でプロデューサーとカメラマンを、『父の初七日』(2010)で助監督を務める。初めて監督した短編映画『愛瑪的晚宴(原題)』(2008)が台湾内外の映画祭で注目され、その後ドラマや短編映画を数多く手がける。2018年に初の長編映画『High Flash~引火点』を発表。長編第2作『よい子の殺人犯』(2019)では金馬奨にノミネートされた。2024年には監督したドラマ「華麗計程車行」が台湾エミー賞とも呼ばれる金鐘奨で作品賞他6部門にノミネートされるなど、台湾で高く評価されている。

  • 脚本

    シュー・フイファン(徐慧芳)

    脚本家、児童文学作家。児童文学「馬背上的少女(原題)」で「好書大家読」少年児童文学賞、「九歌現代少児文学奨」審査員賞など多くの賞を受賞。脚本家としては『廣告小妹大(原題)』で2016年「優良電影劇本奨」優秀賞、2018年には『醫生懸命(原題)』で、2021年には本作の脚本で同賞特別優秀賞を受賞した。

  • 脚本

    ワン・リーウェン(王莉雯)

    1977年生まれ。台北芸術大学修士課程で映画脚本を学ぶ。夫のジュアン・ジンシェン監督は創作上のパートナーでもあり、ジュアン監督のデビュー短編以来、ほぼ全ての作品で脚本を担当。『High Flash~引火点』(2018)の脚本では「優良電影劇本奨」最高賞を受賞した。他にも、映画『ジャンプ!アシン』(2011)で金馬奨脚本賞にノミネート、ドラマ脚本で台湾エミー賞と呼ばれる金鐘賞に3回のノミネート歴がある。『父の初七日』(2010)で主演を務めるなど演技の経験もあり、本作にも国語教師役で出演している。

Column

モデルは台北市⽴第⼀⼥⼦⾼級中学
という実在の
⼥⼦校

⼩愛と敏敏が通う名⾨⼥⼦校の名前は「省⽴第⼀⼥⼦⾼級中学」。⾼級中学とは、⽇本語の⾼校に相当し、字幕では「第⼀⼥⼦⾼校」。そのモデルとなったのは「台北市⽴第⼀⼥⼦⾼級中学」、通称「北⼀⼥」と呼ばれる⼥⼦⾼校だ。1904年に前⾝である臺灣總督府國語學校第三附屬學校が創設され、1967年に現在の名称になった。北⼀⼥の制服のブラウスは緑⾊。学校のシンボルカラーにもなっている。1949年10⽉に夜間部が増設されたが、1982年7⽉に廃⽌。しかし1963年に増設された「進修補習学校」が夜間に授業があったため、夜間部廃⽌以降、「夜補校」「夜校」と呼ばれ、2004年に廃⽌されるまで、夜間部の役⽬を果たしていた。
本作の脚本は、脚本家のシュー・フイファンが、⾃ら北⼀⼥中の「進修補習学校」に通っていた体験をもとに書いたもの。胸の刺繍の⾊も、当時の北⼀⼥の実際の⾊と同じになっている。

制服の胸の学籍番号刺繍

本作の時代は、学校にもよるが、胸の部分に学校名と学籍番号を縫い付けなければならなかった。必要事項は映画にも出てくるように学校のそばにある「繡學號」という店で刺繍してもらう。学校によって違うが、上記以外に⽒名・組・学年の識別する印などもあった。
中には⼥⼦は番号だけで良いが、外で問題を起こすことが多いからと⾔う理由で男⼦は⽒名は必須だったところもある。ただし、時代と共に個⼈情報保護の重要性が進み、2022年に台湾教育部(⽇本の⽂科省にあたる)が⽒名の刺繍を廃⽌すると発表し、今は校名と学籍番号のみになっている。

「桌友」⽂化=机友(きゆう)

台湾の⾔葉で「桌友」。「桌」の字が⽇本の漢字にはないため、字幕では「机友」とした。夜間部の⽣徒と全⽇制の⽣徒は同じ机を時間差で使うことから、その机を通して友達になることが多くあった。本作に描かれたエピソードは脚本家のシュー・フイファンの実体験をもとにしており、引き出しに⼿紙やお菓⼦を⼊れておいて親しくなったそう。今回当時の桌友がこの映画を⾒つけ、ネットで調べて30年ぶりにシュー・フイファンに連絡をくれたということ。当時交換したお互いの⼿紙も持ち寄って⾼校時代を懐かしみ、とても感動したとインタビューで⾔っている。

Music

『ひとつの机、ふたつの制服』の音楽

オープニング&エンディング曲

告五人(Accusefive)

「沒有人會為了我改變(No One But You)

2017年に結成された、台湾で絶大な人気を誇るZ世代バンド。男女ツインボーカルの3人組。台湾や華語圏の音楽チャートを席巻し、YouTube再生数も億単位を超えるなど、次世代の台湾音楽シーンを牽引する存在。自分自身が変わっていこうとする心情を歌うこの曲は、主人公・小愛の揺れる内面と共鳴している。

劇中曲

五月天(Mayday)

「擁抱(Embrace)

1997年結成。これまで受賞した音楽賞は国内外で150を超え、ライブ動員数は1,000万人を超える台湾の国民的ロックバンド。「擁抱(Embrace)」は初期代表曲のひとつ。映画では、敏敏と小愛がライブハウスの外で聴く。「ずっとかぶっていた仮面をはずし」という詞をもつこの曲は、本作にピッタリの切ない響きを添えている。

※曲タイトルは当作品のエンドクレジットに基づきます

Flyer

こちらからダウンロードが出来ます。

Digital Poster

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Comment

ハートに折った手紙、交換してた!
懐かしい学生時代が蘇る。
(台湾では「桌友(字幕では机友)」と呼ぶ)
あの頃は現在地に立っているのに精一杯で
どこに行くのかも定まっていなかった。
誰かと本音を共有することで強い気持ちが持てることや
思春期特有のモヤモヤを母にぶつけたり
それでも冷蔵庫の付箋に涙したり
繊細に描写された行動は「うんうんうん」の連続である。
いつの時代も、台湾も、日本も、世界共通で
片思いしてる女子の横顔は美しい。
「自分が場違いな気がして不安になる」という台詞が
今の自分にザクっと刺さり涙が落ちた。
歳を重ねても変わらない自分のポイントに気づける映画!!!

一青窈(歌手)

自分は何者かと迷う姿に自分の姿を見た。
ひとつの机から始まる物語は喜びも痛みも丁寧に描かれ、正直でありたい気持ちを呼び起こされる。
胸の奥に静かな余韻を残す、忘れがたい青春の1ページ。

松井玲奈(俳優・小説家)

今どこにいるかじゃなくて、どこへ行くかが大切。
そんなことはわかっていても、今の自分も大切。友達も家族も。
全てがもどかしい小愛の心の動きは、忘れかけていた小さな気づきを思い出させてくれる。

小谷実由(モデル、エッセイスト)

生きた時代も国も違うのに、”知ってる感情”だらけの愛おしい作品。
友情と初恋とコンプレックスの間で揺れ動く姿は、痛々しいのになぜだか晴れやかで。
羨望感と劣等感、抱きしめてこそ青春だ!

地球のお魚ぽんちゃん(漫画家『霧尾ファンクラブ』)

チラシを見て、2番目のキャラだと思ったメガネッ娘が、実は主人公。
それはつまり、裏から表を見るとき、「月」が「太陽」との関係性を意識するとき、に生まれる感情を、
思春期映画のメロディーにのせて唄う、この映画にとって必然なのだった。
また一人、魅惑のメガネッ娘の誕生を祝福するのだ。

宇田川幸洋(映画評論家)

誰もが楽しめるのに単純じゃない。
自己評価の低さに悩む青春の成長物語。
この映画が大好き。心が揺さぶられた!!
チェン・イェンフェイ(陳妍霏)と シャン・ジエルー(項婕如)の演技はどちらも素晴らしい。
そして私のお気に入りは母親役のジー・チン(季芹)だ。
彼女の演技は見事で、型にはまらない解釈も光っている。
公開されたら、ぜひお見逃しなく。

ギデンズ・コー(『あの頃、君を追いかけた』『赤い糸 輪廻のひみつ』監督/脚本/原作)

敬称略・順不同